境内案内

国宝館

(こくほうかん)

興福寺の伽藍

奈良時代創建当初の食堂の外観を復元

 僧侶が集団で食事をする食堂(じきどう)が建てられていた場所に、昭和34年(1959)に鉄筋コンクリート造りの耐火式宝物収蔵庫として建てられました。規模は正面35.3m(桁行9間)・側面31.8m(梁行8間)で、本瓦葺の建物です。地下には、旧食堂の奈良時代以降の遺構がそのままの形で保存されています。国宝館は食堂と細殿(ほそどの)を連結して内部を一堂とした建物で、興福寺の歴史を伝える仏像彫刻や絵画、工芸品、典籍・古文書、歴史資料・考古遺物などが収蔵しています。これらを一般公開するために利便性を考慮して設計された建物です。

 館内には旧食堂の本尊千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)立像を中心に、奈良時代の阿修羅(あしゅら)像などの乾漆八部衆(はちぶしゅう)像や乾漆十大弟子(じゅうだいでし)像、華原馨(かげんけい)、平安時代の燈籠(とうろう)や板彫十二神将(いたぼりじゅうにしんしょう)像、鎌倉時代の木造金剛力士(こんごうりきし)像、木造天燈鬼(てんとうき)・龍燈鬼(りゅうとうき)像、さらに飛鳥の山田寺から運ばれた7世紀の銅造仏頭(ぶっとう)などの国宝や、重要文化財の梵天(ぼんてん)像・帝釈天(たいしゃくてん)像や厨子入り弥勒菩薩半跏像(みろくぼさつはんかぞう)なども安置します。なかでも阿修羅像は天平彫刻の傑作として、人びとから熱い視線が注がれています。

昭和34年(1959年)原設計

建築史家・大岡實

平成29年(2017年)耐震改修設計

建築家・棟尾聡

堂内に納められている寺宝・文化財
拝観時間 9:00~17:00(受付終了は16:45まで)
拝観料金 大人 700円
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本日のご拝観について
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