鉄湯釜(てつゆがま)

【年代】平安時代末期~鎌倉時代
【所在】大湯屋
【指定】奈良県指定文化財
【技法】鋳鉄製
【法量】(北の湯釜)口径147.0㎝ 
    (南の湯釜)口径152.0㎝、高さ125.0㎝ 計2口
【公開情報】 通常非公開

現在、大湯屋内には南北に並んで2口の鉄釜が残されています。本来の形状は鍔(つば)のある羽釜(はがま)ですが、現存の「北の湯釜」は鍔と胴のほとんどを欠失しており、「南の湯釜」は鍔と鼎足(かなえあし)1本を欠失しています。鉄釜は日常の煮沸用具として用いられ、寺院の湯屋では湯浴みに使用されましたが、湯屋に関連する遺品は全国的にも少なく、奈良県内でも東大寺の「鉄湯船」が重要文化財に指定されるのみです。興福寺に残る鉄湯釜は、中世以前の羽釜型湯釜の形状や口径を把握することが出来る遺品として大変貴重なものです。

本日のご拝観について
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