興福寺大和国雑役免坪付帳(こうふくじやまとのくにぞうえきめんつぼつけちょう)

【年代】 室町時代
【所在】 国宝館
【指定】 奈良県指定文化財
【技法】 紙本墨書、袋綴装
【法量】 東諸郡帳:縦29.9㎝、横20.7㎝、紙数117紙
     西諸郡帳:縦29.5㎝、横20.5㎝、紙数35紙(他補紙23紙)
【公開情報】 通常非公開

延久元年(1069)2月に、後三条天皇が記録荘園券契所(記録所)を設置し、各地の荘園整理を企てます。本書はその翌年9月、記録所に注進する目的で作成されたものです。現在興福寺には、室町時代(応永15年/1408年)に書写された東諸郡帳と、年紀不明ながら同じく室町時代に書写された西諸郡帳が残っています。奈良盆地のほぼ中央を南北に走る下津道(しもつみち)を境に東西に分かち、東諸郡・西諸郡に分けて記録されます。東諸郡帳には添上(そえかみ)・山辺(やまのべ)・宇陀諸郡など、西諸郡帳には平群(へぐり)・城下・十市(とおいち)・高市(たけち)・忍海(おしのみ)・吉野諸郡などが記されます。

平安時代半ば頃の興福寺は言うまでもなく非常に多くの荘園や田畑(不輸免・雑役免)を所有しており、本書はかつて『興福寺資材帳』とも呼ばれたほど、当時の実状や周辺の地理情報が良くわかる好史料です。

本日のご拝観について
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