宋版一切経(そうはんいっさいきょう)

【年代】 中国・宋時代(12~13世紀)
【所在】 国宝館
【指定】 重要文化財
【技法】 版経、折本装
【法量】 縦30.3cm、横11.2cm(『大宝積経』巻第102)
【公開情報】 通常非公開

僧侶の数が増え、また仏教が広く一般人の研究対象になると、多種多量の経典が必要になります。これは日本だけでなく、中国や朝鮮半島も同じ状況で、これら大量の需要に応えるために印刷された経典の頒布は、時代の要求でした。

本経は、中国宋から輸入されたもので、南宋時代・靖康元年(1126)の思渓版(しけいばん)、磧砂版(せきさばん)、祥符寺版(しょうふじばん)等の混合版で、約1500種、4354帖が108箱に納められます。

磧砂版(延聖院版)の『大宝積経』巻第102は、巻末に紹定4年(1231)に趙安国が都での勧縁大壇越(かんえんだいだんおつ)となり、寄付を募って開版した旨が刻まれます。また興福寺僧によって鎌倉時代末期頃の字音が付けられており、実際に使われたことを示しているなど、大変貴重な一切経です。

本日のご拝観について
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