成唯識論(巻第十)(じょうゆいしきろん)

【年代】 奈良時代
【所在】 国宝館
【指定】 重要文化財
【技法】 紙本墨書、巻子装
【法量】 縦26.4cm、全長924cm、紙数17紙
【公開情報】 通常非公開

『成唯識論』(本来全10巻)は、護法菩薩らが著し、唐の玄奘が漢訳しました。「外界のあらゆる存在は唯だ内界の識、つまり心によって造り出されたものにすぎない」との思想にもとづいて、諸法無我の理を説く唯識(ゆいしき)思想を集大成した、法相宗(唯識宗)の拠り所とする、また学侶にとっての基本書です。
本書は『坤宮官一切経(こんぐうかんいっさいきょう)』のうちの1巻で、奥書から天平宝字5年(761)正月18日に東大寺写経所の経師であった小治田弟成(おはりだおとなり)によって書写されたことが知られます。『坤宮官一切経』は天平宝字4年正月に光明皇太后の発願により東大寺奉写一切経所で開始され、5330巻が書写されました。

本日のご拝観について
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