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木造千手観音菩薩立像(せんじゅかんのんぼさつりゅうぞう)

【年代】 鎌倉時代
【所在】 国宝館
【指定】 国宝
【技法】 寄木造、漆箔、玉眼、桧材
【法量】 像高520.5cm
【公開情報】 常時公開
【付属】 像内納入品
一 木製五輪塔 1基
一 梵字千手観音菩薩小呪鏡 蓮台付(秋草双雀鏡) 1基
一 銅造観音菩薩立像 1体
一 銅造千手観音菩薩立像 1体
一 銅造千手観音菩薩立像 1体
一 大般若経巻第578・千手千眼陀羅尼経・各安貞2年孟夏憲円書写
一 般若心経 建保五年より安貞2年まで 尭俊等毎月書写奥書 3巻
一 千手観音菩薩摺仏 内4枚に安貞2年4月の記がある 2428枚
一 著色毘沙門天像及同印仏貞応2年正月3日の記がある 1幅
一 毘沙門天印仏 承久2年より安貞2年までの記がある820枚
一 版本千手千眼陀羅尼 内に寛喜元年4月弘真や道俊等の記がある
一 奉加結縁交名 1巻
あらゆる方法(千は無数)で人々を救う観音菩薩の慈悲を象徴します。千手観音菩薩像を42手にするのは、中央の合掌した2手を除く40手の各手が、仏教で言う25有世界の生き物を救うとされるので、40に25を掛けて千と考えるのです。
5メートルにもおよぶ鎌倉時代再興期の食堂本尊です。頭上に1箇の仏面と、天冠台上2段に10箇の仏面、計11箇をつけます。手は、合掌手と宝鉢手以外の脇手38手は、左右各前列に6箇、中列7箇、後列6箇を3段に取りつけています。
膨大な数の像内納入品の中に、建保5年(1217)から寛喜元年(1229)までの年紀を持つものがあるので、鎌倉時代再興期の寛喜頃に完成したものと思われます。記録によると、当初仏師は奈良の仏師成朝に割り当てすすめられたのですが、途中で変更になり、別系の仏師によって完成されたことが知られます。
丈六(じょうろく)もの巨像をバランスよくまとめあげ、安定した像容をみせます。