北円堂(ほくえんどう)

【年代】 鎌倉時代
【指定】 国宝
【構造】 八角円堂、本瓦葺
【規模】 八角一面4.9m、対面径11.7m
【付属】 旧内陣小壁8組、銘札1枚
【公開情報】 春・秋一定期間公開

日本に現存する八角円堂のうち、最も美しいと賞賛されるこの堂は、興福寺の創建者藤原不比等の1周忌にあたる養老5年(721)8月に元明・元正天皇が、長屋王に命じて建てさせたものです。興福寺伽藍の中では西隅に位置していますが、ここは平城京を一望の下に見渡すことのできる1等地で、平城京造営の推進者であった不比等の霊を慰める最良の場所でした。治承4年(1180)の被災後、承元4年(1210)頃に再建されました。華麗で力強く、組物に三手先斗栱(みてさきときょう)が使われるなど、創建当初の姿をよく残しており、内陣の天井には中央の大蓮華より光を放つ天蓋(てんがい)が輝き、組物間の小壁ある彩色された笈形(おいがた)が特徴的です。

現在の堂内には本尊である弥勒如来坐像を中心に、無著・世親菩薩立像をはじめとして、木心乾漆四天王立像などが安置されます。

本日のご拝観について
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