三島食品

100年後に残したい○○

<ふりかけの起源>

大正の初期、熊本の薬剤師、吉丸末吉さんという方が、日本人のカルシウム摂取量が少ないことを心配され、小魚を姿のまま乾燥させ粉末にしたらどうだろうと思いつかれました。
そしてその粉末に、調味料・煎りごま・ケシの実・海苔などを加え、魚臭さを消して魚ぎらいな人でもご飯にふりかけて食べられるよう考案し、瓶詰めで売り出したのが始まりだと言われています。
< 平成6年全国ふりかけ協会総会より >

<ふりかけの語源>

大正時代に考案された時は、「ふりかけ」という名称はありませんでした。その後、商品があっても「ふりかけ」という名称はないという時期が続き、「御飯の友」「食卓の友」「遠足の友」「露営の友」「旅行の友」といった『○○の友』がふりかけの名称のように使われていました。
昭和34年全国ふりかけ協会が設立されてからは、ふりかけ食品として定義づけられ、正式に名称として使われだしたのです。
<昭和27年発売 三島食品最初のふりかけ「弁当の友」 ※現在は販売していません。 >

<商品の移り変わり>

ふりかけの起源でもご説明しましたが、小魚の粉末など動物性たんぱく質を主原料としてふりかけが誕生しましたが、1970年(昭和45年)革新的なふりかけが誕生しました。
植物である赤しそが主原料の「ゆかり®」です。
発売当初はそれまでのふりかけとはまったく異なる原料(植物性)だったため思うように売れていませんでした。しかし1975年ごろから徐々に販売量が増加しはじめました。
ターニングポイントになったのは『学校給食』で「ゆかり®」が採用されはじめ、子供たちから絶大な支持を得たことでした。
当時は類似品が無かったこともあり、栄養士さんの口コミで全国に広まり現在の礎となりました。

<発売当時のゆかり®のパッケージ >

<赤しそを極める>

赤しそふりかけ「ゆかり®」の品質を極めるには、その主原料である赤しそを極める必要があります。
三島食品では、約20年かけて品種改良を行い、商標登録したオリジナル品種『豊香Ⓡ』や下記の条件を満たす優良品種を選定し、産地にて契約栽培しています。
 1.青しそと同じ爽やかな香り
 2.濃く鮮やかな紫色
 3.茎が細く、葉がちりめん状で柔らかい

広島県北広島町にある
自社農園「紫の里」
赤しその収穫風景 
6月初旬から8月末が収穫期間
三島食品が自社開発した種子
『豊香Ⓡ(ホウコウ)』

<品質維持と安定供給>

年々自然災害の頻度が増えたり被害が大きくなってきているように感じます。
過去に普段台風通過の少ない地域で台風の直撃を受けた産地からの赤しそ供給ができなくなり、「ゆかり®」を製造する原料の不足に陥った経験があります。
そこでメーカーとして「ゆかり®」を安定供給することも使命と考え産地の点在化を推進しました。また、2020年6月には自社農園の紫の里で水耕栽培を開始し、品質の維持と収穫量を増やせるよう研究を重ねています。

DCIM100MEDIADJI_0140.JPG
紫の里敷地内に建設した水耕栽培施設(室内)

<お客様に支えられて50周年>

2020年に「ゆかり®」は発売50周年を迎えることができました。
これもお客様のご支持の賜物と感謝しております。
ここまでくることができたのもさまざまの「ご縁=ゆかり」と思い、三島食品では思いを伝える造語を発信しています。

『縁もゆかりも一期一会』
縁もゆかりも最初はひとつの出会いや出来事から始まっています。
皆さまとの一つ一つのその出会いを大切にしていきたいと願っております。

“Ichigo Ichie”is a Japanese proverb originating from the traditional tea ceremony meaning,
“treasure every meeting, for it will never recur.”
Any relationship will begin with the first acquaintance.
We treasure every opportunity to meet with you.

50年後に迎える発売から100年を目指して「おいしさがつなぐ縁づくり」に精進してまいります。