興福寺について

興福寺の伽藍

寺院の風呂場

大湯屋(おおゆや)(重要文化財)

 寺院の風呂場です。奈良時代から設けられていたのですが、文献での初見は平安時代に降ります。その後数回の被災・再建を経て、室町時代に再建されたのが現在の建物で、五重塔再建と同じ時期−すなわち応永33年(1426)頃と考えられます。
 正面4間(11.7m)、側面4間(10.6m)、本瓦(ほんがわら)葺きの建物で、西面の屋根は入母屋(いりもや)、東面の屋根は切妻(きりづま)ですので、東側になんらかの建物があり、この大湯屋で湯を沸かし、東の建物に湯を送って蒸し風呂にしたり、あるいは入浴したりしたと思われます。

 内部に床を敷かず、地面に直接鉄の湯釜を2個据えています。南の湯釜はほぼ完形で、口径1.5m、胴径1.86m、高さ1.27mで鎌倉時代、北の湯釜は口縁の部分しか残らないのですが、口径1.44mで平安時代のものです。